個展を開きたい。グループ展をやってみたい。けど、やり方がわからない……。
展覧会ってどうやって開くの?ギャラリーってどうやって借りるの?と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
展覧会をやりたい!と言っても、開催場所のギャラリーを選ぶだけではなく、様々なものが必要になってきます。
作品のタイトルや作家名を示す「キャプション」や、展覧会を告知するための「DM(ダイレクトメール)」、作品や手作り雑貨を販売するなら、物販のためのスペースを考えることも必要になってきます。
私も初めて展覧会を企画した時は、DM?キャプション?と聞きなれない言葉に戸惑ったものです。この記事では「展覧会を企画したいけど、全くの未経験で何が必要かわからない!」「企画するときに注意することは何?」などの疑問に答えて、初心者でも展覧会を運営できる方法をお話ししていきたいと思います。
◎展覧会のテーマを決めよう
まず、展覧会を企画するにあたって「テーマ(主題)」を決めましょう。
展覧会のテーマはとても重要です。テーマ次第で出展する作品の内容や、DMのデザイン・ギャラリーの空間演出などに関わってきます。テーマの決め方に正解はありませんが、適当に選ぶのではなく、どんな展覧会にしたいか?をイメージすると決めやすくなります。
個展の場合は、自分一人の世界観を表現すれば良いですが、複数で企画するグループ展などの場合、「広いテーマ」か、「狭いテーマ」か、展覧会に参加する人数によって変えていくのがコツです。
テーマの例
「広いテーマ」
-動物展
-色展
-自然展
「狭いテーマ」
-ラブラドール・レトリバー展
-赤色展
-桜展
など

広いテーマなら解釈の自由度が高いため、作品制作しやすいメリットがあります。狭いテーマなら解釈の自由度は低いですが、その分展覧会に統一感が出るため空間が強くなるメリットがあります。テーマの解釈は作家に委ねられ、作品作りに影響してきます。5人でやる展覧会なのか、500人でやる展覧会なのかで、テーマを変えていくことが重要です。
◎スケジュールを組もう
テーマが決まったら、スケジュールを組みましょう。展覧会には作品の制作以外に、必要なものが沢山あります。詳しくは後述しますが、0からのスタートなら半年程度は前から企画したほうが良いでしょう。

役割分担をしよう
展覧会の初めて企画する時にやりがちなのが企画者の人が一人で全てやろうとしてしまうことです。展覧会の企画はとてもやることが多いです。
DM作成、キャプション作成、内装デザイン、アンケート作成、物販の準備、貸し画廊の選定、メンバーへの連絡など、事務作業も含めて全て自分でやるには時間がかかりすぎます。
展覧会の企画者が最も大事にすべきことは、展覧会を成功させることです。そのためにシビアに割り切って、企画する人が全てをやるのではなく、リーダーとして展覧会の進行を舵取りするために、役割を分担しましよう。
◎ギャラリーを借りよう
展覧会のテーマや、参加人数に見合うギャラリーを探しましょう。
ギャラリーには貸画廊と企画画廊があります。今回の記事で扱っているのは貸画廊です。だいたい一週間程度の期間、展示スペースを有料で貸し出してくれるのが貸画廊で、企画は画廊主ではなく作家側が行います。出展するのに審査があったり、一定の評価を受けている作家に依頼して、画廊主が展覧会を企画しているものが、企画画廊です。様々な画廊がありますが、一般的に初めての展覧会や、友人同士のグループ展などで利用するのは貸画廊です。
ギャラリー探しに便利なサイト
レンタルギャラリー、貸し画廊 検索サイト「Rental Gallery.jp」
・関西・大阪のアートイベントの総合情報サイト「ストリート・アートナビ」
人気のギャラリー(繁華街にありアクセスが良い、価格が安い、有名作家が出品したことがある、など)はすぐに予約が埋まってしまいます。
特に4月~6月、9月~11月はオンシーズンで、ギャラリー巡りのしやすい気候になるので人気の時期となります。希望のギャラリーで展覧会を行うためにも、半年ほど前から企画することをお勧めします。希望の日程で、空きのあるギャラリーを探しましょう。
まとめ
いかがでしたか?初めての展覧会の企画はとても楽しく、またいろいろな問題にぶつかったりもします。特に企画者の方は一番責任のある役割になりますが、一人で進行・備品制作・ギャラリー選び・お金の管理、などなどを抱えてしまうのではなく、展覧会の責任者として、役割分担していくことが大切になります。困った時に仲間に頼ることを忘れず役割分担をしっかり行いましょう。仲間とお客様との記憶に残る良いグループ展になる参考になれば幸いです。
次は『はじめて展覧会を企画する人が知っておきたい展覧会のやり方まとめ~備品編~』に続きます!